京町家の美意識を未来へつなぐ、現代の暮らしに寄り添う和モダンの注文住宅
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Data
地域 / 京都市上京区
延床面積 / 39.73坪
総床面積 / 61.715坪
構造 / 木造2階建
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京町家には、長い年月を通して磨かれてきた“暮らしの知恵”が詰まっています。
格子がつくる柔らかな陰影、奥へと続く細長い動線、坪庭がもたらす光と風。
それらは単なる意匠ではなく、京都という土地で快適に暮らすための合理性そのものです。
今回計画している住まいは、そんな京町家の良さを丁寧に受け継ぎながら、現代の生活様式に合わせて再構築するDesign1st.一級建築士事務所の注文住宅です。
伝統を守るために不便を受け入れるのではなく、“町家の思想を活かしながら、今の暮らしに最適化する”ことをテーマにしています。
町家の美しさを残しながら、暮らしやすさを最大化する設計思想
京町家の魅力は、建物そのものよりも「空間のつながり」にあります。
今回の計画では、その思想を現代的に読み替え、以下のような設計方針を軸に進めています。
光の導線を町家のように奥へ届ける採光計画
格子・ハイサイドライト・坪庭を組み合わせ、奥の空間まで自然光が届くように設計。
通り庭の思想を現代の動線へ置き換える
玄関から奥まで続く“抜け”を確保し、家事動線・回遊性を高めたプランニング。
外観は町家の景観に調和しつつ、現代的な端正さを持たせる
素材は自然素材を基調にしながら、ラインの整理でシャープな印象に。
坪庭を「眺める庭」から「暮らしに参加する庭」へ
掃き出し窓やキッチンからの視線を意識し、日常の中で自然を感じられる配置に。
町家の良さを“形として残す”のではなく、思想として継承し、現代の生活にフィットする形へ変換する。
これがデザインファーストの設計姿勢です。
計画中のプランに込めた意図
今回の敷地は、典型的な町家のように奥行きがあり、周囲の建物も近接しています。
そのため、光・風・プライバシーの確保が大きなテーマとなりました。
1|奥行きを活かした“広がりを感じる”空間構成
細長い敷地の弱点を逆手に取り、視線の抜けを連続させることで、実際の面積以上の広がりを感じられる空間を計画。
2|坪庭を中心に据えた暮らしのリズム
リビング・ダイニング・キッチンのどこからでも緑が見えるよう配置し、町家の“内と外の曖昧な境界”を現代的に再現。
3|景観に溶け込む外観と、現代的な機能性の両立
格子の意匠を取り入れつつ、断熱性能・耐震性・メンテナンス性を高めた仕様に。
4|家族の生活動線を最適化した回遊プラン
町家の通り庭の思想を、現代の家事動線へと置き換え、
“使いやすさ”と“町家らしさ”を同時に成立させています。
伝統を守るために不便を抱える時代は終わった
京町家の価値は、古い形をそのまま残すことではなく、「京都で心地よく暮らすための知恵」を未来へつなぐことにあります。
今回の計画は、まさにその思想を体現する住まいです。
町家の美しさを感じながら、現代の生活にフィットする快適さを備えた家。
伝統と現代が自然に溶け合う、唯一の住まいが少しずつ形になりつつあります。